不審請求が申請された PayPal 支払い
ヨーロッパの企業に広く普及しているデジタルウォレットである PayPal での不審請求の申請の対応方法をご紹介します。
顧客は PayPal アカウントで支払いを認証する必要があるため、不正使用や身に覚えのない PayPal 決済のリスクは低くなります。
概要
顧客は、不正使用のリスクを軽減するために、すべての支払いを PayPal アカウントで認証する必要があります。ただし、以下のような場合、顧客は PayPal による支払いに対して不審請求を申請することができます。
- 支払いを済ませた商品を受け取っていない
- 届いた商品が説明の内容と一致していない
PayPal を有効にする際の売上処理の選択内容は、PayPal での不審請求の申請の資金の流れに影響します。詳細については、売上処理の設定を選択するをご覧ください。
不審請求の申請プロセス
顧客は、購入日から最大 180 日間、PayPal で不審請求を申請することができます。また、PayPal での購入を完了するために使用した支払い方法 (銀行など) を使用して不審請求を申請することもできます。
顧客が不審請求の申請を開始すると、 Stripe は以下を使用してお客様に通知します。
- メール
- Stripe ダッシュボード
- API
charge.
イベント (構築済みのシステムが Webhook を受信するように設定されている場合)dispute. created - プッシュ通知 (登録している場合)
PayPal では、不審請求の申請の種類と申請場所によっては、不審請求の申請に反論する前に、問題解決のために顧客と直接連絡を取る機会が提供される場合があります。Stripe は現時点ではこの機能を提供しておらず、顧客に連絡する場合は PayPal に問い合わせるように依頼しています。
合意が得られない場合は、不審請求の申請の承諾または異議の申し立てを行うことができます。異議を申し立てる場合、Stripe からお客様に対して、Stripe ダッシュボードで注文のフルフィルメントが行われたことを示す反証資料を提出することを依頼します。この反証資料により、PayPal は、不審請求の申請が有効であるか、拒否すべきかを判断します。提出する反証資料には、顧客が購入時に提供した情報を可能な限り詳細に記載してください。依頼された情報は 2 ~ 19 日以内に提出する必要があります (不審請求の申請のカテゴリーにより異なります)。PayPal は、反証資料の提出から 30 日以内に判断を下します。
不審請求の申請をプログラムで処理する場合は、API を使用して不審請求の申請に対応することができます。
不審請求の申請の解決
PayPal がお客様の主張を認めて不審請求の申請を解決した場合、不審請求が申請された金額は残高に返金されます。
PayPal が顧客に有利に判断した場合、不審請求の申請の主張は認められず、残高への請求は永続的なものになります。
場合によっては、PayPal では、主張が認められなかった不審請求の申請に対して異議を申し立てることができます。Stripe は現時点では異議の申し立てをサポートしておらず、異議を申し立てる場合は PayPal に問い合わせるように依頼しています。その場合、不審請求の申請は、PayPal によって最終的に解決されるまで Stripe で未解決のままになります。不審請求の申請に異議を申し立てることができるようになった場合に通知を受けるには、PayPal にお問い合わせください。
不審請求の申請について、詳細は不審請求の申請の仕組みと不審請求の申請に対応するためのベストプラクティスをご覧ください。
手数料
PayPal は、不審請求の申請の処理手数料を請求する場合があります。PayPal での不審請求の申請の処理手数料の条件と金額は、PayPal によって設定されます。Stripe からは、PayPal での不審請求の申請に対して追加の手数料を請求しません。
1 件の支払いに対する複数の不審請求の申請
注文に関してその後に問題が生じた場合、買い手は PayPal で不審請求の申請を再開できます。たとえば、買い手が商品を受け取っていないような場合、不審請求の申請を行うことがあります (product_
)。異議を申し立てて主張が認められた後、買い手は、受け取った商品が注文したものと異なることを主張して、PayPal で不審請求の申請のカテゴリーを変更できます (product_
)。このアクションが行われることで、不審請求の申請が PayPal で再開されます。
Stripe では、特定のカテゴリーの請求が個別の不審請求の申請によって表されます。対照的に、PayPal では、元の不審請求の申請は別カテゴリーで再開されます。そのため、1 件の支払いに対して複数の不審請求の申請が行われる可能性があります。上記の例でいうと、Stripe で 2 件の不審請求の申請が発生していることになります。1 つ目は product_
で、2 つ目は product_
です。これらの不審請求の申請はどちらも PayPal で提出された同一の不審請求の申請に関連付けられています。
まれに、Stripe では、同じ支払いに対して 2 件の不審請求の申請が同一カテゴリーで提出されることがあります。これは、買い手が最初に PayPal で不審請求を申請し、主張が認められず、その後銀行に対して同じ不審請求を申請した場合に発生します。
組み込みをテストする
Stripe では、不審請求が申請された取引をシミュレーションすることができます。そのためには、PaymentIntent の作成時に、(請求書の詳細の一部として) テストシナリオで説明されているパターンと一致する email
値を指定します。関連するすべてのカテゴリーをシミュレーションするために、さまざまなテストシナリオから選択できます。
たとえば、サーバー側で PaymentIntent を作成して、商品が届いていないと買い手が主張して不審請求が申請された取引をシミュレーションすると、次のようになります。
Checkout または Payment Links を使用する場合、決済フォームにメールアドレスを入力できます。支払いが完了した直後に、product_
として不審請求が申請されます。
テストシナリオ
次の表に、テストできるシナリオを示します。各シナリオでは、支払いが完了した直後に不審請求の申請が行われます。
.
は、メールアドレスの任意の有効な文字を表します。たとえば、パターン .
は、my_
などのメールアドレスと一致します。
メールアドレスのパターン | シナリオ |
---|---|
. | 購入した商品を返品した、商品の一部を使用していない、取引をキャンセルした、または商品の提供が不完全であったため、一部または全額返金を受ける資格があるが、返金やクレジットが提供されていないと顧客が主張している支払いに対する不審請求の申請をテストします。 |
. | 顧客は、同じ商品またはサービスについて複数回請求されたと主張しています。 |
. | 顧客は、取引が不正使用であり、取引を承認しなかったと主張しています。 |
. | 支払いに対する不審請求の申請をテストします。申請された不審請求の種類は未分類です。 |
. | 顧客は、購入した商品が届いていない、あるいは購入したサービスを受けていないと主張しています。 |
. | 顧客が、購入した商品やサービスが満足できるものではなかった、あるいは説明を受けた内容と異なると主張しています。 |
. | 顧客は、サブスクリプションをキャンセルした後にも請求されたと主張しています。 |
証拠
不審請求の申請に対する主張が認められる場合と認められない場合をシミュレーションするには、次の表のいずれかの反証資料の値で応答します。
- API を使用して応答する場合は、表の値を uncategorized_text として渡します。
- ダッシュボードで応答する場合は、表の値を追加情報フィールドに入力してから、反証資料の提出をクリックします。
反証資料 | 説明 |
---|---|
winning_ | 不審請求の申請がクローズされ、主張が認められたとマークされます。アカウントには支払い金額が入金されます。 |
losing_ | 不審請求の申請が終結し、主張が認められなかったとマークされます。アカウントへの入金は行われません。 |