Apple Pay のベストプラクティス
以下のベストプラクティスに従って、Apple Pay の組み込みを最大限に活用してください。
通常の決済フローでは、顧客は多くの場合、カード情報、請求先および配送先住所、メールアドレス、電話番号を入力する必要があります。Apple Pay では、顧客は Touch ID で支払いをオーソリするか、Apple Watch のサイドボタンをダブルクリックしてこの情報を提供できます。
Apple Pay は、支払い受け付けのリスクと全体的費用を減らしながら、コンバージョン率、新規ユーザ獲得、購入頻度などの指標向上を支援します。Apple Pay を使用する顧客のチェックアウト体験をさらに向上させるために、以下のベストプラクティスの導入を検討してください。
エクスプレスチェックアウトの導入
商品詳細ページ、商品リストビュー、検索結果ページに Apple Pay を追加して、アプリのユーザや Web サイトの訪問者により多くの購入機会を提供できます。Apple Pay の使用により、新規および既存の顧客が一度タップするだけで購入できるため、さらに多くの見込み客を実際の顧客に変えることができます。
- Apple Pay を設定している顧客に対しては、商品詳細ページ、商品リストビューページ、検索結果ページに Apple Pay ボタンを表示します。
- Apple Pay ボタンを表示する前に、注文に関するすべての必須情報 (サイズ、色、数量など) を顧客に尋ねます。
- 無効化された状態で Apple Pay ボタンを表示しないでください。その代わりに、顧客が商品選択をまだ終えていない段階で Apple Pay ボタンを選択した場合には、完了していない商品の選択肢をハイライト表示します。
- 決済フローにエクスプレスチェックアウトボタンをすでに表示している場合は、ユーザの混乱を避けるために、それを Apple Pay ボタンに置き換えることを検討してください。
購入が完了するまで登録を削除または移動
Apple Pay では、新規の顧客が初めて購入した後、新しいアカウントをシームレスかつ簡単に作成できます。アカウントを作成するオプションを取引後にすることで、顧客が購入を完了する確率が上がります。
- Apple Pay に対応している顧客に対しては、支払いプロセスの最初にある必須の登録を削除します。
- 支払いリクエスト中に、Apple Pay が提供する顧客情報 (顧客名や住所情報など) を要求しないでください 。
- 取引の一部として必要な情報のみを要求します。たとえば、配送の必要がない場合 (サービスやデジタル商品など)、配送先住所を要求しないでください。
- 支払いが完了したら、支払い確定ページでアカウントを作成するために必要な追加情報 (パスワードなど) を要求します。
Apple Pay のデフォルト設定
顧客が Apple Pay 対応のデバイスを使用している場合には、デフォルトの支払い方法として Apple Pay を提供することを検討してください。これにより、新規と既存の両方の顧客のチェックアウトコンバージョン率を向上させることができます。
- デバイスで Apple Pay を設定している新規の顧客に対しては、決済フローで支払い方法選択ページを省略し、顧客が迅速に購入を完了できるようにします。
- 支払い方法セレクタで Apple Pay を事前に選択し、顧客が実行するステップ数を減らします。
- Apple Pay ボタンを表示して、購入を喚起します。
アプリや Web サイト内での Apple Pay の設定オファー
Apple Pay API を使用すると、Apple Pay 対応デバイスを所持していながら、まだウォレットにカードを追加していない顧客を判別できます。次に、アプリの中でこれらの顧客に Apple Pay を設定する機会を提供することができます。
Apple Pay の設定ボタンを以下の場所に表示できます。
- 対応デバイスでのチェックアウト中に、支払い方法選択ページで他の支払いオプションの横に
- 顧客のアカウント設定の支払い方法管理ページで、他の支払いオプションの横に
- 顧客に支払い情報の追加や更新を求めるメッセージに (有効期限の切れたカード情報を更新するように求めるメールなど)
決済プロセス中にアカウント設定オプションを提供する他の支払い方法をすでにサポートしている場合には、対応デバイスに対して常に Apple Pay の設定ボタンを表示してください。
Apple Pay 受け付けの通知
サポート対象の支払い方法として Apple Pay を組み込んだら、Apple Pay 対応の顧客に通知します。お客様のアプリや Web サイトでデフォルトの支払い方法として設定することもご検討ください。
- 決済ページで、他の支払いマークの横に Apple Pay マークを追加します。
- アプリまたは Web サイトに Apple Pay のサポートを追加したら、決済プロセスの前にバナーや追加メッセージを使用して、Apple Pay を受け付けるようになったことを通知します。
- アプリや Web サイトに Apple Pay のサポートを追加したら、マーケティングチャネル (メール、通知、ソーシャルメディアなど) を通じて通知します。
- アプリや Web サイトで顧客が一度タップするだけで Apple Pay の使用を開始できるように、バナーや追加メッセージをタップ可能なものにします。この機能がない場合には、Apple Pay の使用開始方法を顧客に説明します。
- Apple Pay の受け付けを App Store に反映させるため、Apple Pay 対応アプリのスクリーンショットと説明を更新します。
Apple Pay 証明書の更新
Apple は、証明書の次回の有効期限の 30 日前、15 日前、7 日前に Apple Developer アカウントのチームエージェントに通知を送信します。証明書の有効期限は、有効化から 25 カ月間になります。中断を回避するために、現在の証明書の有効期限が切れる前に、新しい証明書を生成して有効にする必要があります。
ダッシュボードの iOS certificate settings (iOS 証明書の設定) に移動して、新規アプリケーションを追加をクリックし、表示されるガイドに従います。
新たな証明書を作成するために新しい CSR を Stripe からダウンロードし、以前にダウンロードした CSR は使用しないようにします。Apple Developer アカウントでの有効化は、新しい証明書を Stripe にアップロードしてから行います。ポータルで申請するをクリックしてから約 5 分後に、新しい公開キーを使用して Apple Pay トークンが暗号化されます。新しい証明書を有効にする前に、新旧両方の証明書が Stripe ダッシュボードにあることを確認し、移行中にどちらの証明書も使用できるようにしてください。
証明書を置き換えた後、アプリを更新する必要はありません。テスト API キーを使用して Apple Pay 取引を実行し、組み込みが期待どおりに機能していることを確認することをお勧めします。
Apple Pay の実装に対する更新を常にテストする
実装を更新したり Apple 加盟店 ID を切り替える変更を適用する前に、トークンを作成し、支払いを正常に完了するためにそのトークンを使用できることを確認します。
Apple Pay 継続取引のベストプラクティス
Apple Pay 決済を受け付ける場合は、継続支払い、自動リロード支払い、後払いといった加盟店が開始する取引 (MIT) を有効にするために、マーチャントトークンを返すよう Apple Pay インターフェースを設定することをお勧めします。マーチャントトークン (MPAN) はお客様のビジネスに顧客の Apple Wallet 支払い方法を接続するため、複数のデバイスで機能します。また、支払い情報が紛失または盗難されたデバイスから削除された場合でも、新しいデバイスで有効な状態が維持されます。実装の詳細については、Apple Pay マーチャントトークン、暗号の期限切れによる継続的なオーソリエラーを防ぐための API による直接連携については、Apple Pay の継続取引をご覧ください。