オーストラリアの BECS ダイレクトデビット支払い
オーストラリアで BECS ダイレクトデビットによる支払いを受け付ける方法を紹介します。
オーストラリアの Stripe ユーザーは、オーストラリアの銀行口座を持つ顧客から Bulk Electronic Clearing System (BECS) ダイレクトデビットによる支払いを受け付けることができます。
決済プロセスの一環として、ビジネスは顧客の銀行口座の詳細 (口座名義人の名前、銀行の支店番号 (BSB 番号)、銀行口座番号) が記載された同意書を収集し、サービス利用規約に同意してもらう必要があります。これによりビジネスは、その口座から引き落としをする許可が得られます。Stripe は、ビジネスが顧客に提示するこの同意書を生成できます。
BECS ダイレクトデビットは再利用可能な、遅延通知型の支払い方法です。このため、顧客の口座からの引き落としを開始してから、支払いの成功または失敗の通知を受けるまでに最大で 3 営業日かかります。
新しいユーザーの場合、BECS ダイレクトデビット取引でのデフォルトの限度額は、取引あたり 1,500 AUD、週あたり 4,500 AUD です。限度額を引き上げる必要がある場合は、サポートにお問い合わせください。
確認要件
BECS ダイレクトデビットを使用するには、追加の本人確認の手順を完了する必要があります。支払い方法の設定からアクセスをリクエストした後に、この手順の実行を求められます。ご不明な点がございましたら、サポートにお問い合わせください。
決済フロー
顧客が決済時に BECS ダイレクトデビットを選択する
顧客がダイレクトデビットリクエストを完了する
顧客が支払い完了の通知を受け取る
以下のテスト情報を使用して決済フローをプレビューするか、GitHub のサンプルコードを表示してください。
- 任意の名前
- 任意のメールアドレス
- テスト BSB 番号: 000-000
- テスト銀行口座番号: 000123456
始める
You don’t have to integrate BECS Direct Debit and other payment methods individually. If you use our front-end products, Stripe automatically determines the most relevant payment methods to display. Go to the Stripe Dashboard and enable BECS Direct Debit. To get started with one of our hosted UIs, follow a quickstart:
支払い方法を手動で一覧表示する場合、または今後の決済のために BECS ダイレクトデビットの詳細を保存する場合は、次のガイドを参照してください。
引き落としの通知メール
BECS では、同意書の確認時と、顧客の銀行口座から引き落とす際はその都度、顧客に連絡をすることをお勧めしています。Stripe はデフォルトで顧客にメールを自動的に送信します。
顧客にカスタムの通知を送信する場合:
Stripe ダッシュボードのメール設定で Stripe のメールをオフにします。
payment_intent.processing イベントを使用して、引き落とし開始の通知メールをトリガーします。
同意書通知で、同意書 (へのリンク) を伝えることをお勧めします。
引き落としの事前通知には、以下を含めると理想的です。
- 顧客の銀行口座の下 4 桁
- 引き落とし金額
- 連絡先情報
- 顧客の銀行口座からの引き落とし予定日
BECS ガイドラインでは、少なくとも支払いを作成する 14 日前までに通知を送信することが推奨されていますが、これは必須ではありません。Stripe のデフォルトの引き落としの事前通知メールは、口座からの引き落としの前日に送信されます。このような引き落としの事前通知は、不必要な引き落としの失敗や、不審請求の申請の防止に役立ちます。同じ金額の継続支払い (固定価格のサブスクリプションなど) の場合は、以降の複数回の引き落とし予定と対応する日付を 1 通の通知に記載できます。
不審請求の申請
BECS ダイレクトデビットには、銀行口座保有者が支払いについて不審請求を申請するためのプロセスが規定されています。そのため、BECS ダイレクトデビットでの支払いを受け付ける場合は、このプロセスをよく理解しておく必要があります。
顧客は最大 7 年間、「無条件で」、銀行を通じてデビット支払いに対する不審請求を申請を行うことができます。顧客の銀行が、この期間中すべての不審請求申請に対応します。顧客が支払いに対して不審請求を申請し、銀行が返金の要求に応じた場合には、Stripe は直ちにお客様の Stripe アカウントからその金額を差し引きます。
不審請求の申請が作成されると、Stripe は charge.
と charge.
の両方の Webhook イベントを送信し、お客様の Stripe 残高から不審請求の申請の金額と付随する手数料を差し引きます。
クレジットカードに関する不審請求の申請とは異なり、BECS ダイレクトデビットに関する不審請求の申請はすべて最終的なものであり、異議申し立てをすることはできません。顧客が支払いに対する不審請求の申請に成功した場合、状況を解決するには、顧客に連絡します。顧客との間で話し合いがつき、顧客が売上を返す意思を示した場合は、顧客は新たに支払いを行う必要があります。
警告
顧客の銀行が不審請求の申請を開始しているときに、お客様が顧客に対し先を見越して返金を発行すると、顧客が同じ取引に対してクレジットを 2 回受け取ることがあります。これを避けるため、返金ガイドラインに従ってください。
同意書
支払いプロセス中に、ビジネスは口座からの引き落としを許可する同意書を収集する必要があります。BECS ダイレクトデビットシステムでは、これらの同意書は、ダイレクトデビットリクエスト (DDR) と呼ばれます。
銀行口座保有者はいつでも有効な同意書のキャンセルをリクエストできます。同意書をキャンセルするには、銀行口座保有者は銀行または同意書を交わした相手側に連絡する必要があります。同意書をキャンセルすると、その同意書を使用して発行するそれ以降のすべての引き落としの要求が無効になります。顧客から以降の支払いを受けるには、新しく同意書を作成してください。
同意書イベント
イベント名 | 説明 |
---|---|
mandate. | 同意書が顧客によってキャンセルされた場合や、永続的な引き落としエラーがある場合に発生します。status プロパティは、inactive に変化します。 |
イベントはダッシュボードでも確認できますが、Webhook エンドポイントを設定することをお勧めします。
返金
BECS ダイレクトデビットで行われた支払いの返金は、元の支払い日から 90 日以内に発行する必要があります。返金処理には数日を要します (通常は 3 ~ 5 営業日)。顧客から誤って引き落としてしまった場合には、支払いの不審請求の申請を避けるため、顧客に速やかに連絡してください。
返金は、支払い処理が完了するまで処理されません。まだ完了していない支払いに対して全額または一部の返金を作成すると、その返金プロセスは、Charge
オブジェクトのステータスが succeeded
になった後に開始されます。Charge
オブジェクトのステータスが failed
になった場合には、顧客の銀行口座から引き落としが行われていないため、全額または一部の返金はキャンセルとしてマークされます。
BECS では、銀行口座に返金が行われたときに、明示的には返金とマークされません。代わりに、返金はクレジットとして処理され、元の支払いの明細書表記への参照が組み込まれます。
売上処理期間が長いため、また、銀行の BECS ダイレクトデビット処理の方法によっては、お客様、顧客、顧客の銀行、Stripe の間で混乱が発生する可能性があります。たとえば、顧客が支払いについて不審請求の申請をするために、お客様と銀行の両方に連絡することがあります。この場合、銀行が不審請求の申請プロセスを開始している間に、お客様が先を見越して顧客に返金すると、顧客は、同じ取引について 2 回クレジットを受け取ることがあります。
返金を行う場合は、返金が銀行口座に到着するまでに最大 5 営業日かかることを直ちに顧客に伝えます。Stripe では、この件について自動的に顧客にメールで通知することはありません。
明細書表記
顧客の銀行明細書の各 BECS ダイレクトデビット支払いには、「加盟店名」とこの取引に一意の「支払いリファレンス」の 2 つのフィールドがあります。
Stripe で作成された BECS ダイレクトデビット支払いでは、加盟店名がお客様の Stripe アカウントの明細書表記になります。このデフォルトの動作は、動的な明細書表記を使用することにより、取引ごとに個別に上書きできます。そのためには、PaymentIntent
を作成する際に statement_
パラメーターを設定します。
注意
明細書表記は、支払いリファレンスでは 9 文字に短縮され、その後に一意の ID が付きます。たとえば、明細書表記が ROCKETRIDES
の場合には、顧客の明細書では ROCKETRID_
と表示されます。
以下のテーブルは、顧客の銀行明細書における「加盟店名」と「支払いリファレンス」の表示を説明したものです。
デフォルトの明細書表記 | 動的な明細書表記 | 加盟店名 | 支払いリファレンス |
---|---|---|---|
Rocket Rides | 未指定 | RocketRides | RocketRid_ |
Rocket Rides | Sunday Ride | RocketRides | SundayRid_ |
オーストラリアの各銀行がこれらのフィールドに使用する書式はそれぞれに異なります。顧客の銀行によっては、一部のフィールドが、すべて小文字または大文字で表示されることがあります。
明細書表記と Connect
Connect 支払いの支払いタイプでは、顧客の銀行明細書に表示される明細書表記や加盟店名が異なります。
支払いタイプ | 表記のソース |
---|---|
ダイレクト | 連結アカウント |
デスティネーション | プラットフォーム |
支払いと送金別方式 | プラットフォーム |
デスティネーション (on_ を指定) | 連結アカウント |
支払いと送金別方式 (on_ を指定) | 連結アカウント |
on_
を指定して連結アカウントの代理として収集した PaymentIntent
の同意書は、別の連結アカウントに使用することはできません。