確認要件の更新に対応する
絶えず変化する確認要件への準拠を維持できるように、連結アカウントをサポートします。
連結アカウントが決済を受け付けて送金できるようになる前に、一般に本人確認 (KYC) と呼ばれる要件を満たす必要があります。このためには、連結アカウントに関する特定の情報を収集して、それを Stripe に送信する必要があります。
Stripe は本人確認要件を頻繁に更新していますが、その多くは金融規制当局、カードネットワーク、その他の金融機関によって実施される変更に基づいています。
これらの更新では、以下のアクションが必要になる場合があります。
- アカウント登録フローを変更して、変更された要件に対処できるようにします。
- 影響を受ける連結アカウントから更新された情報を収集し、確認への対応を処理します。
- 特定された問題を連結アカウントに通知して、リスクに関連する要件に対処し、 Stripe インターフェイスを使用して解決できるように誘導できます。
今後予定されている要件の更新が連結アカウントに影響する場合は、お知らせいたします。
API でリスク要件を取得する
現在のプレビューの一環として、リスク関連のアカウントの問題には account.requirements 属性を使用して対応できます。プレビューへの参加方法について、詳細はメールアドレスを登録してください。
埋め込みアカウント登録または Stripe のホスティング登録を使用する場合、将来の要件を満たす情報を前もって収集できます。
- オンラインのアカウント登録の場合は、埋め込みアカウント登録コンポーネントに
collectionOptions
属性を含めます。 - Stripe のホスティング登録の場合は、アカウントリンクを作成する際に
collection_
パラメーターを指定します。options
API バージョンに関する考慮事項
API バージョン 2023-10-16 以降では、account
オブジェクトの requirements.errors 配列で、最新の確認エラータイプが code
属性で示されるようになりました。API バージョン 2023-10-16 にアップグレードして、requirements.
を使用することをお勧めします。
バージョン 2023-10-16 に更新できない場合、以前のバージョンの requirements.
配列には、code
属性と互換性のない確認エラーを返すための detailed_
フィールドが含まれます。この detailed_
属性は、API リファレンスには表示されません。
アカウントリンクまたは修復リンクを使用して新しい要件を収集している場合は、API バージョンを 2021-09-07 以降に設定します。
account.
イベントを受信している場合は、Webhook の API バージョンを 2021-09-07 以降に設定します。
アカウント登録フローを変更する
アカウント登録フローのオプション
要件に変更があった場合、Stripe はホスティング登録フローと埋め込みアカウント登録フローを更新し、変更を反映させます。ただし、カスタム API ベースのアカウント登録フローをご利用の場合は、変更された要件に対応するためにフローを更新していただく必要があります。
アカウント登録フローのタイプにかかわらず、既存の連結アカウントの要件変更にはお客様ご自身で対応する必要があります。
アカウント登録フローのタイプ | 説明 | 更新に関する責任 |
---|---|---|
API ベース | Stripe API を使用して、連結アカウントのカスタムフローを構築します。実装は Stripe のアカウント登録要件のすべてを満たしている必要があります。 | 要件の変更を特定して、それに対処するためフローを更新する責任はお客様が負います。 |
埋め込みアカウント登録新規 | (推奨される方法) 連結アカウントは、アプリケーションを離れることなく、埋め込みコンポーネント内のテーマ設定の自由度が高く、カスタマイズ可能な UI で操作します。 | 要件変更の際にアカウント登録フローを更新する必要はありません。Stripe は埋め込みアカウント登録コンポーネントを自動的に更新します。 |
Stripe のホスティング登録 | ブランド提携のインターフェイスでアカウント登録プロセスを完了するよう、アプリケーションによって連結アカウントが Stripe にリダイレクトされます。 | 要件変更の際にアカウント登録フローを更新する必要はありません。Stripe はホスティング登録を自動的に更新します。 |
埋め込みコンポーネントまたは Stripe のホスティング登録を使用する場合、要件の変更によってアカウント登録フローの更新が必要になることはありません。更新された情報を収集するのセクションまでスキップします。
カスタムの API ベースのアカウント登録フローを使用する場合、これらのステップに従って更新された要件に対処するか、アカウント登録フローを埋め込みコンポーネントまたは Stripe のホスティング登録に置き換えます。
注
API を使用して Stripe のリスク審査に対応することはできません。埋め込みコンポーネント、Stripe のホスティング登録、または修復リンクを使用して、連結アカウントが応答できるように設定します。また、ダッシュボードを使用して、連結アカウントの代わりにリスク審査に対応することもできます。
API ベースのアカウント登録フローを変更する
1.更新された確認要件をプレビューする
確認要件が変更された場合は、特定の期限までに更新された情報を収集する必要があります。連結アカウントの変更された要件を満たせないと、そのアカウントの 1 つ以上のケイパビリティが無効になる場合があります。アカウントの地域、リクエストされたケイパビリティ、その他の要因に基づき、収集する必要がある確認情報の詳細を確認します。
current_
より前に、更新された情報を収集する計画を立てることで、連結アカウントの機能の中断を回避できます。今後予定されている要件の変更に関する情報を確認するには、Account オブジェクトの future_requirements ハッシュをご覧ください。
{ "id":
, "object": "account", "future_requirements": { "current_deadline": 1656608400, "currently_due": [ "company.tax_id" ], "disabled_reason": null, "errors": [], "eventually_due": [ "company.tax_id" ], "past_due": [], "pending_verification": [] }, ... }"{{CONNECTED_ACCOUNT_ID}}"
注
Stripe データを使用する場合は、Sigma クエリを使用して future_
ハッシュを取得できます。
2.アカウント登録フローに必須フィールドを追加する
収集する必要がある更新情報を特定したら、その情報をアカウント登録フローに追加するかどうかを決定します。たとえば、更新がケイパビリティに必ず適用される新しい要件であり、アカウント登録フローがそのケイパビリティをリクエストする場合は、フローでその情報を収集する必要があります。
また、アカウントがしきい値に達したために更新によって要件が変更された場合は、アカウントがそのしきい値に達する頻度を考慮します。頻繁ではない場合、アカウント登録フローですべての新規連結アカウントに対して、その情報の提供を求める必要はありません。
連結アカウントの中断を回避するには、Account オブジェクトの future_requirements.currently_due リストに表示されているすべての要件にアカウント登録フローが対応するようにします。
また、future_requirements.eventually_due リストを確認することで、アカウントがしきい値に達したときに適用される要件の準備を行うことができます。
3.更新されたアカウント登録フローをテストする
将来の確認要件をシミュレーションするには、メールアドレスのフィールドに enforce_
を指定し、Accounts API でテストアカウントを作成します。これによりアカウントの requirements
ハッシュには、明らかになっている将来の確認要件がすべて入力されます。
更新されたアカウント登録フローがアカウントの要件を満たしていることを確認するには、テスト用アカウントを登録し、その requirements
ハッシュを確認します。フローが要件をすべて満たしている場合、currently_due リストは空になります。
機能を有効にするためにアカウントのステータス変更をリッスンする 
account.
イベントをリッスンして、アカウントステータスの変更を検出します。アカウントが登録フローを通過した後で、アカウントの requirements
ハッシュで currently_
と pending_
のリストを調べます。どちらも空で、requirements.
が null である場合は、アカウントの機能を有効にできます。payouts_
が true の場合、アカウントは入金を受け取ることができます。charges_
が true の場合、アカウントで支払いを利用できるようにします。
{ "id":
, "object": "account", "charges_enabled": true, "payouts_enabled": true, "requirements": { "alternatives": [], "current_deadline": null, "currently_due": [], "disabled_reason": null, "errors": [], "eventually_due": [], "past_due": [], "pending_verification": [] }, ... }"{{CONNECTED_ACCOUNT_ID}}"
未対応の要件があるアカウントから最新情報を収集する
埋め込みコンポーネント、Stripe のホスティング登録、または Stripe API を使用して、連結アカウントから更新された情報を収集できます。埋め込みコンポーネントを実装するか、連結アカウントを Account Links を使用して Stripe のホスティング登録に誘導することをお勧めします。
いずれの場合も、以下のステップに従ってください。
1.新しい確認レスポンスを処理するために構築済みのシステムを調整する
Stripe は連結アカウントに関する更新された情報を受け取ると、時間をかけて関連するアカウントフィールドを確認します。確認が完了するまで、関連する機能はすべて無効なままになります。フィールド確認要件の更新を検出するには、account.updated イベントをリッスンして、確認エラーを調べます。期限までにエラーを解決しなかった場合、影響を受けるアカウントに対してリクエストされたケイパビリティは無効になります。
無効化されたケイパビリティの requirements
ハッシュに含まれる disabled_reason は、行う必要のあるアクションを特定するのに使用できます。必要な情報を調査または提供するには、ダッシュボードの連結アカウントページでアカウントを見つけてください。
2.未対応の要件があるアカウントを特定する
Connect ダッシュボードで、連結アカウントを選択します。現在未対応の要件がある、または今後未対応になる連結アカウントのリストが表示されます。アカウントの問題とステータスでリストを絞り込むことができます。
各連結アカウントが提出する必要のある情報とその期限を、アカウントオブジェクトの future_requirements ハッシュで、または Sigma クエリを使用して確認することもできます。
3.更新された要件の施行に備える
アカウントへの施行日 (future_
) に、future_
ハッシュの内容は requirements
ハッシュに移行し、Stripe によって account.updated イベントが生成されます。この施行によって、審査が必要になるアカウントが増える可能性があるため、施行日をリマインダーとして使用して、ダッシュボードの連結アカウントページを確認してください。
連結アカウントを情報収集フローに送る 
いずれかのアカウントに currently_due 要件や確認エラーがある場合は、要件の current_deadline までに対処する必要があります。期限が来ると、requirements.
配列内の要件が requirements.
配列に追加され、関連する機能が無効になります。機能を有効にするには、情報を提供し、エラーを解決する必要があります。
今後の要件が現在の要件になると、アカウントのケイパビリティに直ちに影響が出る可能性があります。要件が future_
のままであっても、期限までにすべての要件に対処するようにしてください。
アカウントの requirements
が currently_
である場合、アカウント登録フローに従って、または修復リンクを使用して、アカウントが問題を解決できるよう誘導します。
- API ベースのアカウント登録: カスタムのアカウント登録フローを使用して、オプションで
future_
も収集します。requirements - 埋め込みアカウント登録: 影響を受けるアカウントに埋め込みアカウント登録コンポーネントをレンダリングします。
- Stripe のホスティング登録: Account Links API を使用して、Stripe のホスティング登録への 1 回限りのリンクを生成します。連結アカウントをアプリケーションからこのリンクに送ります。
- 修復リンク: ダッシュボードを使用して、連結アカウントが必要な情報の提供に使用できる修復リンクを生成します。