ダイレクト支払いを作成する
連結アカウントで直接支払いを作成し、手数料を回収します。
顧客が連結アカウントと直接取引を行うときに「ダイレクト支払い」を作成すると、多くの場合、顧客はプラットフォームの存在に気付きません。ダイレクト支払いの特徴は以下のとおりです。
- 支払いはプラットフォームのアカウントではなく、連結アカウントに支払いとして表示されます。
- 連結アカウントの残高は、支払いのたびに増加します。
- アカウント残高は、支払いごとに発生するプラットフォーム手数料により増加します。
この支払いタイプは、SaaS (サービスとしてのソフトウェア) を提供するプラットフォームに最適です。たとえば、Shopify はオンラインストアフロントを構築するためのツールを提供し、Thinkific は教育者がオンラインコースを販売できるようにしています。
注
Stripe ダッシュボードの全機能にアクセスできる連結アカウントには、ダイレクト支払いを使用することをお勧めします。
Stripe Checkout を使用して、Stripe がオンラインで提供する決済ページにリダイレクトします。この実装と、Stripe の他の実装タイプとの比較をご覧ください。
まず、Stripe アカウントを登録します。
アプリケーションから Stripe API にアクセスするには、Stripe の公式ライブラリを使用します。
Checkout セッションを作成するクライアント側サーバー側
Checkout Session (Checkout セッション) は、ラインアイテム、注文金額、通貨など、支払いフォームで顧客に表示する内容を制御します。サーバー側のエンドポイントを呼び出して、Checkout セッションを作成する購入ボタンをウェブサイトに追加します。
<html> <head> <title>Checkout</title> </head> <body> <form action="/create-checkout-session" method="POST"> <button type="submit">Checkout</button> </form> </body> </html>
サーバー側で Checkout セッションを作成し、レスポンスで返された URL に顧客をリダイレクトします。
line_
: この属性は、顧客が購入しようとしているアイテムを表し、Stripe がオンラインで提供する決済ページに表示されます。items payment_
: この属性は、プラットフォームがプラットフォーム手数料として取引から差し引く金額を指定します。連結アカウントで支払いが処理された後、intent_ data[application_ fee_ amount] application_
がプラットフォームに送金されます。詳細については、手数料の回収をご覧ください。fee_ amount success_
: Stripe は、顧客が支払いを完了した後に成功時の URL にリダイレクトし、url {CHECKOUT_
の文字列を Checkout セッションの ID に置き換えます。この ID を使用して Checkout セッションを取得し、ステータスを確認して、顧客に表示する内容を決定してください。自社で使用するクエリパラメーターを追加することもできます。このパラメーターはリダイレクトプロセス全体にわたって存続します。詳細については、Stripe がオンラインで提供するページでリダイレクトの動作をカスタマイズするをご覧ください。SESSION_ ID} Stripe-Account
: このヘッダーは、連結アカウントのダイレクト支払いを示します。Checkout では連結アカウントのブランディングが使用されます。これにより、プラットフォームではなく連結アカウントと直接やり取りしているような印象を顧客に与えることができます。
連結アカウントで直接作成された支払いは、そのアカウントのみに報告されます。プラットフォームのダッシュボードやエクスポートには表示されません。ダイレクト支払いは、プラットフォームで管理される連結アカウントのレポートと Sigma に含まれています。Stripe API を使用することで、いつでもこの情報を取得できます。
支払い後のイベントを処理するサーバー側
支払いが完了すると Stripe は checkout.session.completed イベントを送信します。Webhook を使用してこのイベントを受信し、顧客への注文確認メールの送信、データベースへの売上の記録、配送ワークフローの開始などのアクションを実行します。
クライアントからのコールバックを待つのではなく、これらのイベントをリッスンします。クライアント側では、コールバックの実行前に顧客がブラウザーのウィンドウを閉じたり、アプリケーションを終了したりする可能性があります。また、支払い方法によっては支払いの確定までに 2 ~ 14 日かかることがあります。自社の構築済みのシステムで非同期イベントをリッスンするように設定すると、一度の導入で複数の支払い方法に対応できるようになります。
Checkout で支払いを回収するときは、以下のすべてのイベントを処理することをお勧めします。
イベント | 説明 | 次のステップ |
---|---|---|
checkout.session.completed | 顧客が Checkout フォームを送信して、決済を正常に承認しました。 | 決済の成功または失敗の結果を待ちます。 |
checkout.session.async_payment_succeeded | 顧客の決済が成功しました。 | 購入された商品やサービスのフルフィルメントを行います。 |
checkout.session.async_payment_failed | 何らかの理由により決済が拒否されたか、失敗しました。 | 顧客にメールで連絡して、新たに注文するように依頼します。 |
これらのイベントのすべてに、Checkout Session (Checkout セッション) オブジェクトが含まれています。決済が成功すると、基となる PaymentIntent のステータスが processing
から succeeded
または失敗のステータスに変わります。
実装内容をテストする
実装内容をテストするためのその他の情報については、テストをご覧ください。
オプションその他の支払い方法を有効にする
ダッシュボードの連結アカウントの支払い方法を管理するに移動して、連結アカウントで対応する支払い方法を設定します。デフォルトの設定に対する変更は、新規および既存のすべての連結アカウントに適用されます。
支払い方法の情報に関する次のリソースをご覧ください。
- 支払い方法ガイドは、プラットフォームに適した支払い方法の選択に役立ちます。
- アカウントのケイパビリティ を使用して、選択した決済手段が連結アカウントで機能することを確認します。
- 決済手段と製品サポートの表を参照して、選択した決済手段が使用中の Stripe プロダクトと決済フローで機能することを確認します。
支払い方法ごとに、次のいずれかのドロップダウンオプションを選択できます。
デフォルトで有効にする | 連結アカウントは、決済フローでこの支払い方法に対応します。一部の支払い方法は、無効またはブロックされている可能性があります。これは、Stripe ダッシュボードへのアクセスが許可された連結アカウントが、設定ページで有効化する必要があるためです。 |
デフォルトで無効にする | 連結アカウントは、決済フローでこの支払い方法に対応しません。Stripe ダッシュボードへのアクセスが許可された連結アカウントに、自身の支払い方法を管理することを許可している場合、連結アカウントはこれを有効にすることができます。 |
ブロック済み | 連結アカウントは、決済フローでこの支払い方法に対応しません。連結アカウントに Stripe ダッシュボードにアクセスして自身の支払い方法を管理することを許可していても、連結アカウントはこれを有効にできません。 |

支払い方法のオプション
支払い方法を変更した場合は、画面下部のバーにある変更を確認をクリックし、保存して適用をクリックして、連結アカウントを更新する必要があります。

保存ダイアログ
連結アカウントによる支払い方法の管理を許可する
Stripe では、連結アカウントが自身の支払い方法をカスタマイズできるようにすることをお勧めしています。このオプションを有効にすると、Stripe ダッシュボードにアクセスできる各連結アカウントは、支払い方法ページを表示および更新できるようになります。Stripe ダッシュボードには、新規および既存のすべての連結アカウントに対して適用される支払い方法のデフォルトのセットが表示されます。連結アカウントは、お客様がブロックした支払い方法を除き、これらのデフォルトを上書きできます。
このオプションを有効にするには、アカウントのカスタマイズチェックボックスを選択します。画面下部のバーにある変更を確認をクリックし、保存して適用をクリックして、この設定を更新する必要があります。

アカウントのカスタマイズのチェックボックス
支払い方法ケイパビリティ
連結アカウントが追加の支払い方法を受け付けられるようにするには、連結アカウントが有効な各支払い方法のケイパビリティを設定していることを確認する必要があります。ほとんどの支払い方法には、card_
ケイパビリティと同じ確認要件が適用されますが、いくつかの制限と例外があります。支払い方法ケイパビリティのテーブルには、カードの追加確認が必要な支払い方法のリストが記載されています。
手数料を回収する
支払いが処理されると、プラットフォームはプラットフォーム手数料という形で取引金額の一部を受け取ることができます。プラットフォーム手数料の料金体系は、次の 2 つの方法で設定できます。
- プラットフォームの料金設定ツールを使用して、料金設定ルールを設定してテストします。この Stripe ダッシュボードのノーコード機能は、現時点では Stripe 手数料の支払い責任を負うプラットフォームでのみ利用できます。
- 社内で料金ルールを設定し、プラットフォーム手数料を PaymentIntent で直接指定します。この方法で設定された手数料は、プラットフォーム料金設定ツールで指定された料金体系ロジックを上書きします。
プラットフォームは、以下の制限でプラットフォーム手数料を請求する場合があります。
application_
の値は正の値で、支払い金額よりも小さくする必要があります。回収するプラットフォーム手数料は、支払い金額を上限とします。fee_ amount - プラットフォーム手数料自体に追加の Stripe 手数料はありません。
- ブラジルの規制ならびに遵守要件に従い、ブラジルの連結アカウントが含まれ、ブラジル国外を拠点とするプラットフォームは、Stripe を通じてプラットフォーム手数料を回収することはできません。
application_
の通貨は、複数の通貨のいくつかの要素によって決まります。fee_ amount
その結果として生じる支払いの Balance Transaction (取引残高) には、Stripe 手数料とプラットフォーム手数料の両方の詳細な内訳が含まれます。レポート作成の操作性を高めるために、プラットフォーム手数料の回収後に、Application Fee (プラットフォーム手数料) が作成されます。プラットフォーム手数料オブジェクトの amount
プロパティをレポート作成に使用します。これにより、Application Fee (プラットフォーム手数料) エンドポイントでこれらのオブジェクトにアクセスできるようになります。
獲得したプラットフォーム手数料は、通常の Stripe の支払いの売上と同じスケジュールでお客様の利用可能なアカウント残高に追加されます。プラットフォーム手数料は、ダッシュボードの手数料収入の合計セクションで確認できます。
注意
デフォルトでは、ダイレクト支払いのプラットフォーム手数料は非同期で作成されます。支払い作成リクエストで application_
オブジェクトを拡張すると、リクエストの一部としてプラットフォーム手数料が同期的に作成されます。application_
オブジェクトを拡張するとリクエストの遅延が増加するため、必要な場合に拡張してください。
非同期で作成されたプラットフォーム手数料に対するプラットフォーム手数料オブジェクトにアクセスするには、application_fee.created Webhook イベントをリッスンします。
手数料を含む売上のフロー
支払いに対するプラットフォーム手数料を指定すると、その手数料の金額がプラットフォームの Stripe アカウントに送金されます。連結アカウントで直接支払いを処理する場合、Stripe 手数料とプラットフォーム手数料を差し引いた支払い額が連結アカウントに入金されます。
たとえば、前の例のように、10 USD の支払いを作成し、そのプラットフォーム手数料が 1.23 USD の場合、1.23 USD がプラットフォームアカウントに送金されます。8.18 USD (10 USD - 0.59 USD - 1.23 USD) が連結アカウントでの手取り額となります (標準的なアメリカの Stripe 手数料を想定した場合)。

複数の通貨で支払いを処理する場合は、Connect でどのように通貨が処理されるかについてもご覧ください。
ブランディングをカスタマイズする
プラットフォームと連結アカウントでは、ダッシュボードのブランディング設定を使用して、支払いページのブランディングをカスタマイズできます。ダイレクト支払いの場合、Checkout は連結アカウントのブランド設定を使用します。
API を使用してブランディング設定を更新することもできます。
icon
: Checkout ページのヘッダーにあるビジネス名の横に表示されます。logo
: Checkout ページのヘッダーで、アイコンとビジネス名の代わりに使用されます。primary_
: Checkout ページの背景色として使用されます。color secondary_
: Checkout ページのボタンの色として使用されます。color
返金する
プラットフォームは連結アカウントに対して支払いを作成できるのと同様に、連結アカウントに対して支払いの返金を作成することもできます。連結アカウントとして認証済みの状態で、プラットフォームのシークレットキーを使用して返金を作成します。
返金する際に、プラットフォーム手数料は自動的に返金されません。プラットフォームはプラットフォーム手数料を明示的に返金する必要があります。そうしなければ、連結アカウント (支払いが作成されたアカウント) はその金額を失うことになります。返金リクエストで、以下のように refund_
値として true を渡すことによって、プラットフォーム手数料を返金できます。
デフォルトでは支払いの全額が返金されますが、amount
値を正の整数に設定することで、一部返金を作成することができます。支払いの全額が返金されることになった場合は、プラットフォーム手数料の全額が返金されます。そうでない場合は、プラットフォーム手数料の比例配分された部分が返金されます。別の方法として、refund_
値に false を指定し、別途プラットフォーム手数料を返金することもできます。
Connect の埋め込みコンポーネント
Connect 埋め込みコンポーネント はダイレクト支払いに対応しています。決済埋め込みコンポーネント を使用することで、連結アカウントがサイト内から決済情報の表示、支払いのキャプチャー、不審請求の申し立ての管理を行えるようになります。
以下のコンポーネントには、ダイレクト支払いの情報が表示されます。
支払いコンポーネント:アカウントのすべての支払いと紛争を表示します。
決済の詳細:特定の決済に関する情報を表示します。
紛争一覧コンポーネント:アカウントのすべての紛争を表示します。
支払いに関する紛争コンポーネント:特定の支払いに関する紛争を表示します。これを使って、支払い用 UI があるページに紛争管理機能を組み込むことができます。