Stripe で収益を計上する
収益認識に Stripe を使用する方法をご紹介します。
本番環境へ移行する前に、取引データのインポート、収益認識を自動化するルールの設定、収益レポートの生成およびカスタマイズ、取引モデルのテストを行うことができます。
Stripe Revenue Recognition 機能はすべてダッシュボードから利用できます。
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収益認識を設定する
Revenue Recognition は一部のビジネスユースケースですでに自動化されていますが、その他のケースでは追加設定が必要です。以下は、一部の一般的な請求モデルのリストです。クリックすると詳細が表示されます。
シンプルなサブスクリプション
Stripe Billing を使用するサブスクリプション (月ぎめや四半期ぎめなど) がある場合には、追加の設定は必要ありません。Stripe Revenue Recognition はこの収益を自動的に認識します。
Stripe は、請求書の項目のサービス期間ごとに取引額を計上します。デフォルトでは、ミリ秒単位で収益を計上しています。
メモ
サブスクリプションの収益をミリ秒単位ではなく月単位で認識する場合は、サポートページでチケットを作成してベータにご参加ください。
たとえば、年間 365 USD の年次サブスクリプションを 9 月 1 日に開始した顧客がいるとします。この金額を月別に計上する場合、12 月末のレポートは以下のようになります。
| アカウント | 2021 年 9 月 | 2021 年 10 月 | 2021 年 11 月 | 2021 年 12 月 |
|---|---|---|---|---|
| 収益 | +30.00 | +31.00 | +30.00 | +31.00 |
| DeferredRevenue | +335.00 | -31.00 | -30.00 | -31.00 |
従量課金のサブスクリプション
Stripe Billing を使用する使用量ベースの従量課金イベントがある場合、追加の設定は必要ありません。Stripe Revenue Recognition がこの収益を自動的に認識します。
たとえば、100 ユニットのサブスクリプションでユニットあたり 1 USD の料金モデルの顧客がいる場合を考えます。以下のように、複数の日と月にわたってこれらのユニットを消費します。
- 3 月 2 日に 20 ユニット
- 3 月 30 日に 25 ユニット
- 4 月 1 日に 15 ユニット
- 4 月 20 日に 25 ユニット
- 4 月 28 日に 15 ユニット
このケースでは、顧客は請求されずに 3 月に合計 45 ユニット、4 月に合計 55 ユニットを消費します。この収益認識の元帳項目は以下のとおりです。
| 月 | 借方 | 貸方 | 金額 | 説明 |
|---|---|---|---|---|
| 3 月 | 未請求売掛金 | 収益 | 45.00 | 3 月の 45 使用ユニットからの収益。 |
| 4 月 | 未請求売掛金 | 収益 | 55.00 | 4 月の 55 使用ユニットからの収益。 |
請求済み使用量ベースの従量課金イベント
設定に基づいて、Stripe は記録された使用量を反映した消費ユニットの請求書を作成します。
前の例を続けると、Stripe は 4 月 1 日に合計 60 ユニットの請求書を確定します。月末には、仕訳が以下のように表示されます。
| 月 | 借方 | 貸方 | 金額 | 説明 |
|---|---|---|---|---|
| 3 月 | 未請求売掛金 | 収益 | 45.00 | 3 月の 45 使用ユニットからの収益。 |
| 4 月 | 未請求売掛金 | 収益 | 55.00 | 4 月の 55 使用ユニットからの収益。 |
| 4 月 | 収益 | 未請求売掛金 | 60.00 | 請求された使用ユニットの 4 月の請求書による収益の取り消し |
サードパーティーの継続課金
ルールを設定すれば、Stripe Billing を使用しなくても継続収益を自動的に計上できます (ただしペイメントゲートウェイとして Stripe を使用)。
例として、顧客から 2 種類の継続課金を受け取るとします。10 USD の支払いと120 USD の支払いです。10 USD の支払いを 1 カ月にわたって認識し、120 USD の支払いを 1 年にわたって認識する必要があるため、以下のような収益認識ルールを作成します。
| 名前 | 適用先 | 処理 |
|---|---|---|
Recognize 10. | その他の決済
| カスタムのサービス期間で償却
|
Recognize 120. | その他の決済
| カスタムのサービス期間で償却
|
商品のバンドル
複数のインボイスアイテムを使用して商品バンドルを構成し、複数の商品から収益を計上できるようにします。各インボイスアイテムは、独自の金額とサービス期間が設定された個別の商品に相当します。
以下の API でインボイスアイテムを作成できます。
- インボイスアイテム: 特定のサービス期間と金額を指定してインボイスアイテムを作成します。請求書を作成すると、Stripe は自動的にそのインボイスアイテムを請求書に含めます。
- サブスクリプションスケジュール: サブスクリプションのスケジュールを作成します。1 回限りのインボイスアイテムをサブスクリプションスケジュールに追加すると、請求書に表示されます。継続サービスで 1 回限りの手数料を請求する際に便利です。
いずれかのインボイスアイテムの収益を別途計上する必要がある場合は、Stripe で使用する認識日をインポートします。
たとえば、1 回限りの 50 USD のセットアップ料金がかかる月額 9 USD のサービスを提供するとします。この請求書は以下のようになります。
| 日付 | 請求書 |
|---|---|
2021 年 1 月 | 9.00 の月額サービス手数料 50.00 の 1 回限りのセットアップ料金 |
| 2021 年 2 月 | 9.00 の月額サービス手数料 |
| 2021 年 3 月 | 9.00 の月額サービス手数料 |
収益スケジュールは以下のようになります。
| 月 | 収益 |
|---|---|
| 2021 年 1 月 | 59.00 |
| 2021 年 2 月 | 9.00 |
| 2021 年 3 月 | 9.00 |
レポートとチャートを生成する
デフォルトでは、ダッシュボードは会計期間(特定の月の開始日と終了日として定義)ごとにすべての収益認識レポートとグラフを表示します。レポートが生成されてダウンロードできるようになるまで、最大 24 時間かかります。
メモ
4-5-4 小売業カレンダーなどのカスタム会計期間に基づく収益認識をご希望の場合は、サポートページでチケットを作成してベータにご参加ください。
以下は、表示またはダウンロード、あるいはその両方が可能なレポートとチャートを簡単にまとめたものです。
| レポートとチャート | 説明 |
|---|---|
| 収益の概要 | 収益アクティビティ (計上済み正味収益と月別の最終残高) を示す概要の棒グラフ。 |
| 月次のサマリー | 前月または指定された過去の月の会計アクティビティの詳細。詳しくは、月次のサマリーをご覧ください。 |
| 収益ウォーターフォール | 一定期間に予期される計上可能な収益を表示します。これは、収益スケジュールチャートとも呼ばれます。詳しくは、収益ウォーターフォールをご覧ください。 |
| 損益計算書 | 月別の収益と対抗収益の詳細 |
| 貸借対照表 | 月次の貸借対照表勘定の詳細 |
| 借方および貸方 | アクティビティのある勘定での、月別の借方と貸方の仕訳の詳細 |
| 売掛金エイジング | 売掛金元帳勘定に影響する月次および当月累計の未払い請求書の金額の詳細 |
| 修正 | 勘定における月別の借方と貸方の修正仕訳の詳細 |
| 試算表 | 各会計期間の総勘定元帳アカウントの残高を示したものです。詳細については、試算表をご覧ください。 |
データをインポートし、Stripe を設定した後に、会計レポート間で不一致が見られることがあります。
取引モデルをテストする
ダッシュボードでサンドボックスを使用し、取引に基づくテスト収入レポートを生成できます。
本番環境へ移行する前に、テスト取引を使用せずに取引モデルをテストできます。ルールを作成し、特定の顧客、商品、請求書、または支払いから取引を除外します。
たとえば、テスト用顧客、test@example. によって生成されたすべての収益を除外できます。この顧客に適用するルールを作成し、収益の処理として 収益を 100% 除外 を選択します。
その他の考慮事項
税収、パススルー手数料、償却の細分性、遡及的修正収益など、その他の考慮事項の処理が必要になる場合があります。さらに収益認識を設定して、Stripe が処理できるようにすることもできます。
サードパーティーソリューションからの税収を計上する
Stripe Tax を使用していない場合、税収を自動計算するよう Stripe Revenue Recognition のルールを設定できます。
まず、請求書または請求書の項目の tax パラメーターに税額を設定します。次に、その金額を税金として計上するルールを設定します。税収は、レポートの 納税義務 で追跡できます。
たとえば、Avalara AvaTax を使用して商品の消費税を計算しているとします。この場合、AvaTax の請求書の項目を税金として処理するため、以下のルールを作成します。
| 名前 | 適用先 | 処理 |
|---|---|---|
Recognize tax revenue from AvaTax | 請求書
| 税金として処理
|
パススルー手数料を計算する
ルールを設定し、Stripe でパススルー手数料、および個別の請求書の項目の収益または請求書の項目の部分収益を自動的に計算することができます。
たとえば、100 USD の請求書の項目 Service A があるとします。そのうちの 10 USD をパススルー手数料として計上し、90 USD を収益として計上する必要がある場合に、このルールを作成します。
| 名前 | 適用先 | 処理 |
|---|---|---|
| 請求書
| イベント発生時に繰り延べ、項目のサービス期間で償却
パススルー手数料として処理
|
収益認識制御を調整する
Stripe Revenue Recognition は多くの事業形態ですぐに利用できるように設計されていますが、各ビジネスには固有のニーズがあることも把握しています。管理ページを通じて、収益認識レポートに関する高度な設定が可能であり、収益償却の細分性や遡及的修正収益の処理方法などの設定を簡単に調整できます。