税額ゼロとリバースチャージ
Stripe Tax による計算税額がゼロになるケースをご紹介します。
Stripe Tax は、すべてのリクエストに税金の計算結果を返します。ただし、状況によっては取引で税金が徴収されず、税額がゼロで返されます。たとえば、請求書で tax_
を展開すると、次のように表示される場合があります。
{ "id": "in_1HF0KNFsnTpWVWVzFDgSizOj", "object": "invoice", ... "total_details": { "amount_tax": 0, "breakdown": { "taxes": [ { "amount": 0, "taxability_reason": "not_collecting", "rate": { "id": "txr_1HHwa4Jm3J7Jh9FBnYJ9glJZ", "object": "tax_rate", "description": "VAT Germany", "display_name": "VAT", "country": "DE", "created": 1597863856, "inclusive": false, "jurisdiction": "DE", "livemode": false, "metadata": {}, "percentage": 0.0, "state": null, "tax_type": "vat", "active": false, } } ] }, }, ... }
API は、税金の計算結果についての理由を taxability_reason フィールドに返します。
税額がゼロになる理由として一般的なものを次に示します。
理由 | taxability_reason | 説明 |
---|---|---|
未登録 | not_ | 税金を徴収する前に管轄区域への登録が必要です。 Tax の設定ページで、税金の徴収を登録する場所を指定できます。 |
非課税または税率ゼロの商品 | product_ | 税金が免除される商品や、税率がゼロの商品もあります。いずれの場合も、買い手は税金を支払いません。 |
リバースチャージ | reverse_ | 2 社のビジネス間の取引がリバースチャージの対象になることがあります。そのような場合、買い手はリバースチャージに従って VAT を負担する責任を負います。 |
非課税の顧客 | customer_ | 一部の顧客は、特定の管轄区域で間接税の支払いが免除されます。Customer オブジェクトで顧客が免税の対象となる状況を指定できます。 |
除外対象地域 | not_ | 一部の国には、当該の国の VAT システムの範囲外である地理的地域が指定された行政区画や地域があります。このような除外対象地域のリストを以下に示します。 |
各支払いの税金の結果は、ダッシュボードの「課税対象」で支払いを表示すると確認できます。
Stripe による計算税額がゼロになる状況
Stripe Tax による計算税額がゼロになる状況は次のとおりです。
未登録
税務当局は、ビジネスがライセンスを取得するか登録したうえで、当該管轄区域で税金の徴収を開始するよう求めています。登録の義務が生じる時期と、税金の徴収および納付を開始する時期については、管轄区域ごとに規則が異なります。義務が発生するのは、管轄区域内に物理的な拠点が存在することだったり、管轄区域への売上高がしきい値に達した場合だったりします。たとえば、2021 年 2 月の時点で、カリフォルニアの場合、州外に拠点を置くビジネス (物理的な拠点がないなど) は売上高が 50 万ドルを超えたときにのみ登録が必要になります。
Stripe は自動的に取引を集計して解析し、各地域のしきい値と比較します。見込まれる納税義務に関するインサイトを得るには、しきい値をご覧ください。
各地域での売上税、VAT、および GST への登録方法について、詳細をご覧ください。また、Connect プラットフォームの場合は、Registrations API を使用して、納税登録を管理する方法をご確認ください。Stripe を使用して登録することもできます。
非課税または税率ゼロの商品
一部の管轄区域では、商品が免税、または非課税になる場合があります。たとえば 2021 年 2 月の時点で、カリフォルニア州は、サービスとしてのソフトウェア (SaaS) を非課税のサービスであると見なしています。買い手は税金を支払わず、通常、売り手は商品の作成に付随するコストからクレジットを回収することはできません。
商品の税率がゼロになる場合もあります。これは、厳密に言えば課税対象ですが、適用される税率が 0% になる場合です。たとえば 2021 年 2 月の時点で、アイルランドでは子供服の税率がゼロです。買い手は税金を支払いませんが、売り手は商品の製造に付随するコストからクレジットを回収できる可能性があります。
商品の税金処理は、管轄区域によって異なるだけではなく、変更される可能性もあります。特定の商品に対する税金を徴収しない場合は、商品の税コードの課税対象外 (txcd_
) をその商品に割り当て、Stripe Tax によって非課税商品として処理されるようにすることができます。それ以外の場合、Stripe Tax は、商品が非課税または税率ゼロになる状況を自動的に判別します。
リバースチャージ
ほとんどの取引では、売り手は、買い手が支払うべき税金を徴収して納付する責任を負いますが、リバースチャージ取引では買い手が税金を計算して納付する必要があります。この場合、売り手の請求書には、取引がリバースチャージであり、合計金額に税金は含まれないと記載されます。リバースチャージは、クロスボーダーの B2B サービス提供で一般的に使用されます。たとえば、EU に元の住所があるビジネスには、次のロジックが適用されます。
購入先 | B2C | B2B |
---|---|---|
同じ EU 加盟国 | VAT を請求 | VAT を請求 |
別の EU 加盟国 | VAT を請求 | VAT 請求なし (リバースチャージ) |
Stripe Tax は、納税者番号の有無と、取引に関係する管轄区域に基づいて、適切なロジックを自動的に適用します。
リバースチャージが適用され、inclusive
税金処理が指定された取引では、買い手がすべての unit_
価格を支払いますが、課税されません。このような場合、「リバースチャージ」インジケーターが Stripe ダッシュボードに表示され、請求書にはゼロではなく、「差戻し請求で支払われる税金」が記載されます。
Stripeで納税者番号を収集していない場合でも、顧客の tax_exempt 属性は reverse
に設定できます。
また、Checkout で tax_id_collection を設定することで、顧客の納税者番号を収集するように指定することもできます。Customer オブジェクトに関連付けられていない 1 回限りの Checkout 購入の場合、Checkout は顧客の非課税のステータスと提供された納税者番号を収集して、完了した Checkout Session オブジェクトの customer_details に保存します。顧客の情報 (提供された農政者番号など) が正確であることを確認する責任はお客様が負います。
次の例は、既知の顧客納税者番号がある場合とない場合に生成される請求書の例を示しています。
Stripe は指定された顧客納税者番号が有効かどうかに関係なく、その番号を請求書に表示します。Stripe Tax は自動的に、納税者番号の形式を想定される形式と照合し、さらに特定の国については納税者番号を外部税務当局のシステムと照合して検証します。
Exempt customers
非課税の顧客とは、管轄区域の規則に従い、非課税で購入できる顧客です。各課税管轄区域によって、非課税で購入できる個人や法人のタイプは異なります。一般的な例としては、非営利組織や政府機関などが挙げられます。
税金の支払いを免除された顧客が存在する場合は、サブスクリプション、請求書、または Checkout セッションを作成する際に、その税金のステータスを exempt
に設定して、顧客 ID を指定します。顧客の非課税のステータスを設定するには、 API を使用して tax_exempt を exempt
に設定するか、ダッシュボードを使用します。
- 顧客ページで、顧客を選択します。
- オーバーフローメニュー () を開き、情報を編集を選択します。
- 税ステータスセクションまでスクロールし、ドロップダウンから非課税を選択します。
顧客が免税され、inclusive
税金処理が指定された取引の場合、買い手がすべての unit_
価格を支払いますが、税金は課せられません。このような場合、「非課税」インジケーターが Stripe ダッシュボードに表示され、請求書にはゼロではなく、「非課税の顧客です」と表示されます。
Stripe Tax では、Customer
オブジェクトに tax_exempt を設定したときに、取引での免税額が自動的に計算されますが、顧客の免除証明書などの免税に必要な裏付け書類の検証は行われません。顧客の非課税のステータスを確認して、非課税証明書などの必要な書類を収集する義務があるかを判定し、これに対処することはお客様の責任になります。EXEMPTAX では、免税証明書の収集と検証に使用できる Stripe アプリを提供しています。
Excluded territories
注
除外対象地域がある国で登録している場合、Stripe Tax の手数料は除外対象地域の取引に適用されます。
国によっては一般的な VAT システムの範囲外である行政区画や地域が含まれています。これらの地域の一部では税金が徴収されませんが、その他の地域では独自の課税規則や税率が適用されます。
Stripe Tax は、お客様が以下の地域に属する国に登録されている場合でも、その地域での税金は計算しません。Stripe Tax は、郵便番号と管轄区域の名前を使用して、顧客が除外対象地域またはサポート対象外の地域に所在しているかどうかを自動的に判断します。
国 | 除外対象地域 |
---|---|
アンドラ |
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デンマーク |
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フィンランド |
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フランス |
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イタリア |
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リヒテンシュタイン |
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モナコ |
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オランダ |
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ノルウェー |
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ポルトガル |
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サンマリノ |
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スペイン |
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イギリス |
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