複数の通貨に対応している場合の Revenue Recognition (収益認識)
Revenue Recognition における取引通貨と売上処理通貨の役割を理解します。
収益認識を行う際には、取引通貨と売上処理通貨の 2 種類の通貨 が重要です。取引通貨とは顧客が支払う通貨であり、売上処理通貨とはお客様が現金を受け取るときの通貨です。
売上処理通貨のいずれかと一致する取引通貨で行われた取引はすべて、Revenue Recognition によって仕訳が直接その通貨で処理されます。この場合、お客様はその通貨で現金を直接受け取ることができるため、通貨換算は発生しません。売上処理通貨としてサポートされていない取引通貨で行われた取引は、自動的に Stripe アカウントのデフォルトの売上処理通貨に換算されます。
支払いと、支払い済みの請求書では、実際の資金移動 (取引残高に反映) の為替レートが収益認識で使用されます。たとえば、顧客から 10 EUR を回収し、アカウントで 12 USD の売上として処理した場合、Revenue Recognition では取引額として 12 USD を使用します。
1 回限りの支払いと、確定後に直ちに支払いが行われる請求書については、為替レート変動の影響はなく、為替による利得や損失はありません。
為替差損
ただし、請求書が先に確定されて、支払いが遅れて行われるケースがあります。その場合、確定と支払いの間に為替レートが変動している場合があり、為替差益および差損を追跡する必要性が生じます。
収益認識 (売掛金の計算など) では、請求書が支払われる前に計上されたアクティビティーはすべて、請求書の確定時点での推定為替レートを使用します。推定為替レートと実際の為替レートに差分があれば、その差分が FxLoss 勘定に追加されます。
この例では、請求書の確定時と請求書の支払い時の間に為替レートが変動します。アカウントの売上処理通貨が USD で、顧客の支払いは EUR で行われているとします。
- 1 月 1 日に、請求書が 30 EUR で確定されました。このときの EUR から USD への為替レートは 1.20 です。
- 2 月 1 日に、顧客が 30 EUR の請求書を支払いました。このときの EUR から USD への為替レートは 1.10 です。
為替レートに変動があったため、請求書の確定時点では 36 USD を受け取ることを想定していましたが、支払い時には 33 USD しか受け取れず、3 USD の純為替差損が発生しました。
勘定 | 1 月 | 2 月 |
---|---|---|
売掛金 | +36.00 | -36.00 |
収益 | +36.00 | |
現金 | +33.00 | |
為替差損 | +3.00 |
返金と不審請求の申請による為替差損
2 つの操作の間に遅延がある場合は、為替差損が発生することがあります。支払いが後で返金された場合にも発生するおそれがあります。
この例では、1 回限りの支払い時と返金時の間に為替レートが変動します。アカウントの売上処理通貨が USD で、顧客の支払いは EUR で行われているとします。
- 1 月 1 日に、 顧客は 30 EUR の 1 回限りの支払いを行います。このときの EUR から USD への為替レートは 1.20 です。
- 2 月 1 日に、顧客は 30 EUR の返金を受け取ります。このときの EUR から USD への為替レートは 1.10 です。
お客様は 36 USD を受け取りましたが、為替レートに変動があったため、返金したのは 33 USD だけです。その結果、純為替差益は 3 USD です。
勘定 | 1 月 | 2 月 |
---|---|---|
収益 | +36.00 | |
現金 | +36.00 | -36.00 |
返金 | +33.00 | |
為替差損 | -3.00 |